当日の朝刊に掲載された伊丹十三の訃報を読んでそのニュースを知ったのですが、本当にびっくりしました。その日は学校をサボってワイドショー三昧としゃれこみたかったけど、最後の授業日なのでさすがにあきらめてビデオをセットして家を出る(笑)。自殺説が浮き沈みしていたようでしたが、そんなことは今となってはどうでもいいことです。むしろ重要なのは日本映画の一ジャンルがひとつ消えてしまったということでしょう。
一連の作品を見て思うこと。多少マンネリの感もありましたが、伊丹監督の作る作品群は誰が観てもそこそこに面白く、社会派映画にありがちな難解さも全くない物を作り出せる稀少の人でした。その伊丹十三もついに亡くなられてしまいました。当然伊丹の映画はもう観れませんし、個人的に大好きな本多俊之の絶妙なサックス節も映画の中では聴けなくなります。渥美清も死んでしまって、邦画のシリーズ物で楽しみなのは釣りバカくらいになってしまいましたが、それさえも既に下降線のように思えます。もう日本には北野映画とアニメしかないのかもしれません。
先ほど述べたように、伊丹作品の魅力は社会的なテーマを扱いながらストーリーとしても十分おもしろく、そのテーマについて知識をあまり持ち合わせていなくても楽しめる点です。それは説教臭くない映画ともいえますね。マルサの女を筆頭とするヤクザがテーマとも言える「女」シリーズ、ヨーロッパ映画路線を狙った(と思われる)身障者の実生活を描いた「静かな生活」、安楽死のあり方を問うた「病院へ行こう」。すべての作品において安定したエンターテイメントとしての映画を確立しているのはやはり驚異的事実なのです。
私が一番最初に触れた伊丹作品はあの「マルサの女」であり、当時小学生でしたがその作品の持つ独特の魅力に強い衝撃を覚えたのは今でも覚えています。個性的な…というかアクの強いといった方が適切とも言えるキャストの面々。いつも同じキャストの顔ぶれということからまるで一つの劇団の演劇を見ているような不思議な感覚。コントラストの強いライティング、容赦ないおヤクザさん(笑)。声もバッチリな濡れ場のシーン(笑2)。そして本多俊之氏の奏でるこれまたエキサイティングであったり哀愁的であったり、目まぐるしくそして適切に場面を語る音楽。いったいこれらの魅力を凌駕しうる作品が今の邦画にいくつあるでしょうか。
私は声を大にして言いたいです。伊丹十三はあの黒沢監督にも並びうる(クロサワのような肩書きはないですケド)日本の映画界をしょってたった名監督ですぜ!!
| . | 宮本信子 | 津川雅彦 | 里木佐甫良 | 加藤善博 | 高橋長英 | 上田耕一 | 桜井勝 | 大滝秀治 | 久保晶 | 米倉真樹 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| お葬式 | 雨宮千鶴子 | 木村先生 | フクちゃん | 海老原 の部下 |
- | - | - | 雨宮正吉 | - | - |
| タンポポ | タンポポ | マネージャー | 日の出ラーメンのおやじ | 白服の男の子分 | 課長 | タンポポの客たち | - | 老人 | 大三元のおやじ | - |
| マルサの女 | 板倉亮子 | 花村 | ○ | 山田 | 取引課長 | 蜷川の腹心 | 査察官 | 露口 | - | 査察官 |
| マルサの女2 | 板倉亮子 | 花村 | 家主 | 山田 | 商社員 | 猿田 | 査察官 | - | 信者代表 | 査察官 |
| あげまん | ナヨコ | 鈴木主水 | ○ | 瀬川之丞 | - | カメラの男 | ○ | 千々岩 | 坊さん乙 | - |
| ミンボーの女 | 井上まひる | 外務省の友人 | ホテルマンたち | ○ | - | 伊場木の子分 | ホテルマンたち | プールの老人 | ホテルマンたち | ホテルマンたち |
| 大病人 | 妻 | 医師 | 病院の患者たち | レントゲン技師 | 瀕死の病人 | 麻酔医 | - | - | - | 医師たち |
| 静かな生活 | 団藤さんの奥さん | - | ○ | - | お巡りさん | - | - | - | ○ | - |
| スーパーの女 | 井上花子 | 小林五郎 | 駐車場係 | - | 鮮魚部チーフ | - | 生け簀の解体業者 | - | - | - |
| マルタイの女 | 磯野ビワコ | 真行寺編成局長 | - | 劇団プロデューサー | ○ | - | 検察庁の事務官 | - | - | 検察庁の事務官 |
コメントする