ここ数日、とある公立の小学校
からのアクセスが異常に多いのですが、はたしてここサイトの話題で持ちきりになっているのでしょうか!? へへへへ。
…でも冷静に考えてみると、ここのサイトには小学生が読んでも面白いことはあまり書いていないと思うのですが、とりあえず小学生向けに全文ふりがな付き
にしてみました。いい子たち~見てるか~い♪
20 ケ月と 30 ケ月
北米産牛肉の輸入禁止措置が解除されたことで、今回の牛海綿状脳症 (BSE) の一連の騒ぎが一応の収束を迎えつつあります。
輸入解禁の条件とされた、月齢
20 ケ月以下の牛に限り、BSE 検査を義務づけるという条件。この 20 ケ月という数字は科学的に割り出された根拠のある数字ではなく、きわめて政治的力が作用した数字なのです。純粋に科学だけを使ってこの数字を割り出すと、米国が緩和させたいと思っている数字と同じ 30 ケ月以下。その根拠は、現在の科学技術では 30 ケ月以下の牛が BSE に感染していても、検出することが出来ないからです。なので食べる側の私たちから見れば、全頭検査だろうが 30 ケ月以上のみの検査だろうが、危険の確率は同じであり、裏を返せばにゼロにすることは出来ないということでもあります。
じゃぁ何故 20 ケ月という数字になったのか。日本では 2004 年 12 月から「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」(牛肉トレーサビリティ法)という、世界にも類を見ないほど厳しい個体管理を義務づける法律が施行されています。この法律が日本の畜産農家に課されている手前、30 ケ月以下の輸入牛に関してのみはフリーパス、なんて輸入条件を認めると、不公平な法律を課された畜産農家から政治家が恨まれてしまうわけですね。それでなくとも他の農水産物で不利な条件を強いられているのですから、たまったものではありません。そういった経緯から方々の納得を得るために、全頭検査との中間を取って 20 ケ月にしようということになりました。そして、これを大人の世界では玉虫色的解決といいます。
いや~大人っていろいろ抱えて大変ですね。
米国畜産業者の月齢管理はいい加減かも知れないけど、もっとそれを深く読んでみよう。
米国畜産業者の月齢管理はいい加減かも知れないけど、もっとそれを深く読んでみよう。
次に問題になるのは恐らく、アメリカの月齢証明のいい加減さに対する指摘でしょう。将来、日本が合理的かつ科学的根拠に基づいて月齢 30 ケ月以上の肉牛を検査対象にする方針に切り替わったとして、
- アメリカ畜産業者の月齢管理はいい加減だから、30 ケ月以上の肉牛が 30 ケ月以下として輸入されてきてしまうんじゃ??
- 肉牛としてではなく、乳牛として飼育されてきて乳が取れなくなった廃牛が 30 ケ月以下の肉牛に偽装されて日本に輸入されてしまうんじゃ!?
…という問題。
ちなみに皆さんは肉牛として育てられた牛であれば、20 ケ月程度で肉になるということは知っていますか? それはかかる餌代に対する体重増加(すなわち肉の量)が鈍るから。それが資本主義経済というものです。だから、個体管理がとてもいい加減でずさんだったとしても、よりもうけを出したい畜産業者のいい加減さは誤って 20 ケ月より早く出荷してしまう方向に働くでしょう。だから 月齢 30 ケ月のつもりが、実は 40 ケ月だったなんて事は、健全な資本主義(言い換えれば阿漕な商売)の下では起こりにくいはず。
あとは乳牛として飼育されてきた廃牛などを、月齢を誤魔化して売りつけることが考えられますが、さすがにそれは肉の専門家なら気付きますよ。人間だって、お肌を見てその人の年齢が分かるでしょう? それと同じです。
まあそんなわけで、検査対象が全頭検査だろうと 30 ケ月以上だろうと、現在の科学技術では背負うリスクはなーんも変わらないということです。言い方を変えれば、現在の科学技術ではまだまだ分からないことが多くてどうしようもならないってことです。だからそもそも全頭検査とか 30 ケ月か、いや 20 ヶ月か、なんて議論をすることには何の意味もないんです。
まとめ
別にわたしはアメリカの手先じゃないですよ、念のため。 大体これだけ大騒ぎして、この問題に良心的な関心のある人であればそれなりに状況は分かってくるはずです。20 ケ月以上でも 30 ケ月以上でもいいからそれらの検査で牛肉を輸入して、食べる側の人間がそれを意識すれば良いだけのこと。みんなが危さそうだと思えば、それは売れない商品ということで自然と淘汰されていくことでしょう。そう、昔のコメ輸入自由化の時のように。逆に危くなさそうであれば、それは売れる商品として生き残るようになると思います。それが資本主義経済ってもんです。
その効果さえ怪しい低農薬野菜とか有機栽培野菜だのに、お金を払う人は沢山います。だから同じように「全頭検査牛」とかいうのをやって、普通の牛肉の倍くらいつけて売り出せばいいことです。その手の怪しげな商法も栄えることでしょう。自分で何も考えずに「安心」をお金で買いたい人は買えますし、そんなことに関心のない人は安い牛肉を買えます。新聞やテレビでニュースを書く大人は、それで何が不満なのでしょう?
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