いや~暑い日が続きますね。今年の盆休みはちょっと涼みにカヒルトナ氷河 (Kahiltna Glacier) のあるアラスカにちょっくら遊びに来ています。
アラスカと言えば、もやしもんにも出てくるアザラシの腹の中で海鳥を発酵させたキビヤックが有名ですが(個人的に)、見ただけで涼しげな氷河も魅力的な土地です。タルキートナ空港から軽飛行機で向かうことの出来る、山の大自然に囲まれた文明の地といった趣のカヒルトナ氷河ベースキャンプは、海抜 7,200 フィート (2,200 m) に位置し、南東にはハンター山、西には氷河の向こうにフォーレイカー山がそびえています。おもしろがって「カヒルトナ国際空港」と呼ぶ人もいるそこは、特定のシーズンだけ派手な色のテントと登山用品に彩られる、ごく小さな集落です。今回の旅行の目的地はそこです(石丸謙二郎風に)。
出発はアラスカ南部にあるタルキートナ空港から出発です。機材は モール社製 M-7-260C オライオン。オライオンは 40 年以上にわたり軽飛行機を作り続けてきた家族経営の小さな会社の製品です。オライオンはその頑丈さと簡便さで知られており、遠隔地へ赴く必要のあるブッシュ パイロットや住民に支持されています。今回のオライオンは寒冷地山岳帯仕様で、車輪にスキーが取り付けられており、雪原での離着陸が可能な仕様になっています。
タルキートナ空港を北北東に離陸し、上昇しながら西北西に進路を変えつつスシトナ (Susitna) 川の峡谷を越え、カニクラ氷河を上って山岳部の入り口である通称ワンショットパス (One Shot Pass) まで飛行します。ワンショットパスを通過するときは、高度 8,500 フィート以上で飛行しないと山腹に激突してしまいますので、そこに辿り着くまではひたすら上昇を続けなければなりません。与圧能力も低く急激な気圧変化を伴い、さらに小型機ならではの揺れと平行感覚狂い故に、酷い飛行機酔いに悩まされるかも知れません。幼稚園の頃行ったグランドキャニオン周遊でセスナに乗ったときはボロボロになりましたが、ひょっとしたらこの年になって少しは耐性が出来ているかも知れません。その後は緩やかな右旋回を行い、カヒルトナ氷河に沿ってベースキャンプまで飛行します。
これは山岳地帯に進入するワンショットパスに向かっているところの写真で、左側奥の山々の切れ目で一番低くなっているところがそれです。山岳地帯に入るためにはニアミスを防ぐために他機との距離をマウンテンアプローチとの無線やり取りで把握しつつ、ここを通らなければなりません。それにしてもこの眺望のすばらしさと言ったら!! まさに息を呑むほどの神々しさを惜しみなく放出する大自然の神秘。前日までの仕事の忙しさおよび盆休みが3日しか取れなくてどこにも行けないことなんてすっかり忘れてしまいます。…アレ?
空には雲一つ無く、視程 20 マイル以上。ほぼ無風。絶好の飛行日和です。
写真の全てが飛行機の外からの写真で、しかも画面左上にはなんか方位磁針の様のものが映っています。おかしいですねぇ…。さぁ、そろそろネタばらししますか。そう、これは Microsoft Flight Simulator X のスクリーンショットで、実際に世界各地を飛行して遊ぶことの出来るフライトシュミレーターソフトです。この飛行はミッションプレイにおける「デナリ ベースキャンプへのチャーター便」ミッションを遂行中の画面です。大体3日しかないお盆休みで実際にアラスカまで行けるわけがありません(笑)。ちなみに最初の写真は、拾ってきたものですが本当のタルキートナ空港の写真です。
さてさて、そんなこんなしているうちに、目的地であるカヒルトナ氷河ベースキャンプに到着しました。滑走路ではなく山の斜面に着陸(着雪?)するので、距離感をつかみながら斜面を登る方向に着陸します。それはブレーキが使えないので斜面を登ることで減速するためで、さらに駐機するときは斜面に直角の向きになるようにしなければいわゆるスキーのように斜面を滑り出してしまいます。斜面との距離を読めなくて激突したり、駐機したはいいものの斜面方向に滑り始めてしまって崖から滑落したりと、何度も失敗しました。う~ん、アラスカ観光も命がけですね。そしてなんとか着陸に成功して物資をおろした後に、緊急の無線が入ってきました。なんでも登山家が滑落して骨折、医療キャンプに救急搬送に向かって欲しいとのこと。
慌ただしくもベースキャンプを後にし、さらに 5000 フィート上に位置する医療キャンプに向かうため高度を稼ぎます。過給器付きとはいえ高空になるにつれてエンジンの出力も一気に下がってなかなか登ることが出来ません。やっとこさ医療キャンプに辿り着くことが出来ましたが、着陸できる面積狭っ!! この後2度滑落したり激突したりして、リトライする羽目に。
そしてなんとか医療キャンプに到着。奥で手を振っている人と負傷者が見えます。そして負傷者搭乗後、奥のすり鉢状の地形にはまって脱出不能になり、またまたリトライする羽目に…。まぁ結果なんとか負傷者を山から下ろすことは出来ました。
今回のアラスカ観光以外にも、ハワイやスイスでの航空路線や、アマゾン奥地での秘境飛行(遺跡暴きの呪いでエンジンが停止する)、エリア 51 への関係者を乗せた専用機の操縦(途中で UFO とニアミスする)オーストリア・アルプスでのグライダー競技会など、さまざまな目的および機材でのミッションにチャレンジすることが出来ます。時間さえかければフリーフライトで世界一周飛行も可能です。1年以上前にインストールして、その後ほったらかしにしていましたが、休みの取れないお盆などに原油高によるサーチャージに左右されることなく世界旅行したいときなどに良いかも知れません。おすすめ。