音源の初期化

 DTM 音源を使う前にはまず初期化から。設定のリセットだけではなく、どのようなモードで動作させるかを決める重要な操作です…

音源の初期化

音源の初期化とは

 音源の各種操作を行う前に、まずは音源の初期化(リセット)から。パソコンで言う初期化とは今までやっていたことを一切白紙に戻すことですが、DTM音源においても同じことが言えます。すべてのパラメータを初期化することで音源の余計な設定が残ることを未然に防ぐと同時に、自分が設定する場合においても弄りたい部分だけ指定するだけで済みます。

GM1 … 最も基本的な128音色を定めた世界共通規格。
GM2 … GM1を拡張した、世界共通規格。
GS … GM1を拡張した、Rolandの規格。
XG … GM1を拡張した、YAMAHAの規格。
さまざまな初期化について

 DTMをはじめよう!の章で書いたように、現在のDTM用のマルチティンバー音源は GM1GM2GSXG などの規格のいずれかに準拠しているものがほとんどで、初期化する際にもどういったモード(規格)で初期化するかに注意しなければなりません。と、いうのも音源によっては初期化のモードによって全然別の働きをする音源もあるからです。
 たとえばRoland SD-90GSに準拠していると同時にXG(XG-Lite)にも準拠しており、どの初期化を受けたかによって動作が全く異なります。さらに昔の音源(Roland SC-88ProやYAMAHA MUシリーズなど)は取扱説明書では正式に準拠していると明記されていないものの、実際には暗黙の了解的にライバルメーカーの初期化コマンドを受け付けてしまうというややこし~い側面もあります。

 具体例を示しましょう。
 GS(Roland)XG(YAMAHA)GM1(世界標準規格である Genaral MIDI)の上位互換ですが、GSXGの機器にGM1の初期化をかけるとそれらのGM1から拡張された部分の機能が使えなくなります。GM1で定められた128種類以外の音色は使えませんし、ドラムセットも1種類しか使えなくなります。つまりGM1で有効とされるコマンド以外は原則として受け付けなくなります。
 よって音源に初期化をかける際には、作成する演奏情報でどういったモードが必要かを考慮した上での初期化コマンドの種類の選択が必要です。特に事情がない限り、それぞれの音源の性能がもっとも発揮されるモードで初期化をかけてやるのが良計です。

とある初期化テクニック

 前章で述べた「特殊な事情」です。

 不特定多数が再生するようなデータを作成する場合は下位互換音源(この場合ではGM1)で再生することも考慮しなければならない場合もあります。まずGM1の初期化をかけた後に上位互換であるGSの初期化をかけることでGM1のみの再生環境ではGM1GSを使える環境ではGSで再生するということが可能になります。こういった配慮を施すことで、ある程度柔軟性のあるMIDIデータを作成することができます。

各種初期化コマンド解説(基本編)

 以下に実際に使用される初期化コマンドを紹介します。まずは基本の業界規格リセットから。

GM System ON (*Level1)
System Exclusive : F0 7E 7F 09 01 F7
 GSおよびXG音源はGM1の上位互換音源ですから、それらはすべて GM System ON を受信することによって完全なGM1音源として動作することになり、どんな高級音源であれGM1の基本的な制御コマンドしか受け付けなくなります。
 具体的にはバンクセレクトが無効になるので基本128音色のみが使用可能となること、NRPNが使えなくなるので各種音色操作が使えなくなります。
GM System ON (*Level2)
System Exclusive : F0 7E 7F 09 03 F7
 1999年に策定された、GM1の上位互換規格であるGM2で動作するように音源を初期化します。GM2 では GM1 から各種拡張コントローラーや音色の拡張が行われており、256音色の楽器と9種類のドラムセット、および簡易的なエフェクトが使えるようになります。
GS Reset
System Exclusive : F0 41 [10] 42 12 40 00 7F 00 41 F7
 GSに対応した音源に対してこの初期化信号を送ることによって、GS音源として動作するように初期化を行います。[]で囲まれている部分は Device ID で、何も設定していない音源では初期値は10Hとなっています。
XG Reset
System Exclusive : F0 43 [10] 4C 00 00 7E 00 F7
 XGに対応した音源に対してこの初期化信号を送ることによって、XG音源として動作するように初期化を行います。[]で囲まれている部分は Device ID で、何も設定していない音源では初期値は10Hとなっています。
各種初期化コマンド解説(応用編)

 特定の機種および用途のおいてのみ効果的なコマンドを紹介します。

System Mode Set (SC-88 Series)
System Exclusive : F0 41 [10] 42 12 00 00 7F 00 01 F7 (Sigle Module Mode)
System Exclusive : F0 41 [10] 42 12 00 00 7F 01 00 F7 (Double Module Mode)
 32チャンネル(=2ポート)のMIDIを同時演奏できるSC-88(Pro)のための初期化コマンド。  Sigle Module Modeでは32チャンネルの1台のGS音源として初期化し、Double Module Modeでは16チャンネルの2台のGS音源として初期化します。
 いったいどこが違うんじゃ、というとエフェクトの構成が若干変わるのです。昔の音源では処理能力が十分でなかったため、苦肉の策でこのようなモード分けが出来たと推測します。なお、現在発売中の32チャンネル音源、SDシリーズではこのような初期化はありません。 
MU100 Native/MU Basic Map Channge
System Exclusive : F0 43 [10] 49 00 00 12 00 F7 (MU Basic)
System Exclusive : F0 43 [10] 49 00 00 12 01 F7 (MU100 Native)
 初期化のコマンドではないのですが、それに近いことが出来ます。MU100以降のYAMAHA製XG音源は互換性重視の"MU Basic"、よりクオリティを追求する"MU100 Native"2つのGMマップを持っています。このコマンドによって切り替えが可能となります。
GM System OFF
System Exclusive : F0 7E 7F 09 02 F7
 名前をみてわかるようにGMモードをOFFにするコマンドで、今までのSound Canvasを使っているときは実際にはほとんど使用することはなかったのですが、Roland SD-90/80ではネイティブモードへの移行コマンドになっています。

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February 3, 2004 Comments (0) Trackback (0)
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