毎年年末は、我が家で鍋を囲いながら紅白を見つつブーたれるという忘年会を開催しています。そのときの鍋料理はだいたいは調理が楽なしゃぶしゃぶになってしまうのですが、その調理はいい加減そのもの。グラム ¥1,000 近い牛肉を所望してきて、その肉の旨さで強引に美味しい鍋としてた感がありました。同様に去年末に忘年会をやったときのすき焼きも、かなりいい加減な鍋になってしまったので、今度はちゃんとした鍋料理をということで浮上した案が魯山人風すき焼きを作ろうというもの。魯山人風すき焼きというのは北大路魯山人が創作したとされる鍋料理。
一般的にはすき焼きというのは、割り下で煮るにせよ(関東風)、焼いた肉に醤油・砂糖・酒を直接かけるにせよ(関西風)、生卵を絡めて食べるというのは一緒のようで、美味しんぼ作品中に出てくる海原雄山の言葉 *1 によれば、もっとも牛肉をまずく食べる方法らしいです。
「ぬうう、このくどくて鈍重な味はどうだ!(中略)煮えすぎた肉を溶き卵を絡めて食べる、これではどんなに良い肉を使っても肉の風味は失せてしまう。(中略)これこそ牛肉を一番まずく食べる方法だろう。」
同様にしゃぶしゃぶに関しても、
「肉はすき焼き用の肉よりだいぶん薄い。こんなに薄い肉をグラグラ沸騰する湯にくぐらせると、どんなに手早くしても火が通りすぎて、湯の中にうま味を捨ててしまうことになる。(中略)牛肉の調理法としては基本的に間違っている上に、タレも駄目だ。これでは死んだ牛も浮かばれんわ」
と、ばっさり切り捨ててしまっています。つまりは、私たちは料理のレシピ選択から間違っていたということに(笑)
ばっさりと切り捨てて立ち去る海原雄山の捨てぜりふの中に魯山人風すき焼きの鍋料理の名前が出てきます。
「すき焼きを食わせるからには、せめて魯山人風すき焼きくらい食わせてみろ」
ほほーう、魯山人風すき焼きとな。作ってみようじゃありませんか!
魯山人風すき焼きのレシピは美味しんぼにも Web にも詳しくは書かれておらず、内容もちょっとだけバラバラです。今年発売されたお料理ナビのパクり疑惑濃厚な美味しんぼ DSレシピ集の中には入っているのでしょうか。
何はともあれ、少ない情報の中から総合すると…
といったところのようです。
以上のことを総合して、レシピを組んでみました。
| 魯山人風すき焼き(3人分) | |
|---|---|
| 牛肉(すき焼き用) | 1 kg |
| 長ネギ | 3 本 |
| 焼豆腐 | 2 丁 |
| だし汁 | 1.5 リットル (鍋の大きさによります) |
| 薄口醤油 | 大さじ 3 |
すき焼きの具材として一般的な白菜、しらたき、春菊、しいたけなどはなく、至ってシンプルなレシピです。
Yahoo!グルメのだしの取り方によれば、用意するのは
これもいろいろなやり方があるようで、昆布は一瞬湯に通すだけとか、水の状態でしばらく浸けておいた方がいいなどがありますが、概ねこの方法でいいと思います。
早速調理に入ります。
ネギと豆腐は鍋に張るだし汁の高さに合わせて切ります。でもこのネギ、だし汁に浮いてしまってこうやって切った意味がなくなってしまいました。ネギの種類がそもそも違うのでしょうか。魯山人は京都の人なので、京野菜の一種ということも考えられます。
だしを鍋に張り、薄口醤油で味を調整の上、鍋に火をかけます。だし汁が温まってきたら弱火にし、だし汁を沸騰させないようにします。ネギと豆腐もこの時点で入れておきます。
お肉をだし汁の中に広げて入れ、ほんのり色が付いた頃を見計らって引き上げ、食す!! いたって簡単、鰹だしとお肉の味が合わさった、これぞ日本の味ですね。お肉を平らげたらネギと豆腐をいただく。
肉鍋料理としてはかなりあっさり目な料理となっているのは、やはりだし汁に砂糖や味醂で甘い味付けをしないからでしょう。お肉の脂肪を味わう料理ではなく、赤身の味がキモとなってくるので、お肉は霜降りが少ない方がいいと思います。が、肉屋で買う高級すき焼き用牛肉はかなり霜降りが入っていると思うので、安物の方が逆に正解なのかも知れません。
お肉の火の通し具合は写真を見てもわかるように半生、いわゆるレアの状態で食べるのが一番美味しいと思います。しかし、BSE や O157 騒ぎのことが思い出されてしまい、どうにも半生で食べるのははばかれてしまうところが悩みどころです。そういえば魯山人自身も、生のタニシを食べることで寄生虫による肝硬変でなくなったとの説もあります。食の追求は命がけなのですね(笑)
美味しんぼ作中に出てくる改良版魯山人風すき焼き、シャブスキーに出てくる梅干しを酒で煮詰めたタレも用意してみたいところです。
同じ試食会(?)を別の視点からみたブログ記事があるので、そちらもご参照ください(笑)
酒…確かに全く考えていませんでしたね。だし汁は丁度1リットルから始めましたが、それに対して酒をどれくらい入れればいいのか難しいところです。あと、どれくらいのクラスの酒を使うのかもですね。それにしてもちゃんとしたレシピを見てみたいものです。
結論から言いますと、間違ってますよ。
本来、魯山人風すきやきは関西風に近いです。
まず牛脂をなじませ、肉を入れた後すぐ酒を入れます。
その後、少しの味醂と醤油で味付けしダイコンおろしで食べます。(口直しに溶き卵でも、、)コツは肉の表面に滲み出た肉汁を捨てないよう片面だけサッと焼く事。煮てはダメです、、その漫画意外といい加減ですね、、、大体、魚の出汁で肉を煮る事自体、ダメダメです。
私も北大路魯山人の文献を直接読んで作り方を得たわけではないので詳細は分かりませんが、この作り方は魯山人風をさらに改良してしゃぶしゃぶとすきやきの良いところを取った、シャブスキーというバージョンです。正確には魯山人風ではありません。よろしければ詳細をご教授願えればと思います。
はじめまして。以前から実験してみようと思っていましたが、今、材料を買ってきたところです。「美味しんぼ」のこのパートは何回も読みましたが、煮汁にはたしか「いい酒を使って砂糖は一つまみも使っていない」という海原雄山のセリフがあったと思います。ですが、こちらのレシピでは酒は使われていませんので、さて、どうしたものかと迷っております。まあ、安い肉なので、私は酒を入れてやってみようかと思います。