東京都西多摩郡への長期出張から横浜に戻って来てすぐの慌ただしさがまだ尾を引いている中で、年度明け早々いつもの飲み仲間と二泊三日の四国旅行に行って来ました。うち一泊は寝台特急サンライズ号の中ですが。
寝台列車で移動というのは今となってはブルジョアな移動手段になってしまいましたが、大阪出張時は大阪ー横浜間の移動に、ついこの前なくなってしまった寝台急行銀河にお世話になったことがあります。運賃は ¥15000(B寝台)から ¥20000(A寝台)とかなり高額ですが、新幹線代 ¥13700 + ビジネスホテル代より安いと考えれば、まぁなんとか納得できないでもありません。寝台は寝る時間を使って移動するので、夜遅くまで遊んだり仕事していられるのと、早朝に目的地に着くので翌日も丸一日仕事したり遊んだり出来ます。そして完全に横になれるので深夜バスよりは快適です。
しかしそう考えて乗った銀河の寝心地は最悪で、機関車が牽引するため加減速のたびに進行方向に揺さぶられ、古い車両ゆえサスが甘いのか縦揺れも激しく、全く熟睡することが出来ませんでした。機関車が寝台車(しかも古い)を引っ張るようないわゆるブルートレインタイプの寝台列車にはもう乗ることはないでしょう。最近寝台列車の廃止が多いようですが、これだったらお客が離れてしまうのも仕方がないなと思います。
今回乗ったサンライズは電車式。乗り心地改善の技術もブルートレインの時代から比べればかなり進んでいるでしょうし、揺れも普段乗っている通勤電車程度と思われ、これだったら寝られそうです。逆にサンライズでもダメだったら自分には寝台列車で寝るということ自体出来ないということになります。神経質(?)の烙印を自らに押さざるを得ません。
出発は金曜日の夜10時半なので、昼は普通に出社します。こういうことが出来るのも寝台列車の魅力ですね。旅行用品を揃えて 10 時に横浜駅に集合。ほどなくして特急寝台サンライズ号に乗り込みました。それにしても普段通勤で通っている横浜駅で、深夜にどこかに向かう電車に乗るというのは、軽い時差ぼけのような感覚に襲われます。
まず驚いたのが内装。銀河の暗くて冷たい雰囲気の車内に比べて、まるでホテルのような温かみのある内装です。ベッド同士がカーテンだけで区切られた雑魚寝状態の銀河に対して、サンライズはちゃんと壁で区切られていてプライバシーが守られています。これだったら女性も安心して寝られますね。一人あたりの占有面積も銀河より確実に増えているようです。聞いた話だと内装はダイワハウスが受け持っているとのこと。揺れも予想通り普通の電車並みかそれ以下で、ぐっすり眠ることが出来そうです。私は入っていませんが(混んでいたので)シャワーも設置されているようで、時代が変わるとこれだけ違うのですねとただ感動するばかりでした。
しかしこのサンライズ、サンライズ出雲はその名の通り出雲市へ、サンライズ瀬戸は私たちの行った高松までと、行き先が二カ所しか設定されていません。年末年始やお盆は臨時で広島や松山まで延長されますが、これだけ快適なら北海道や九州にまで足を広げても問題ないと思います。もっともJR西日本と東海の車両なので北海道は難しいかもしれませんが。。。いずれにせよ、あっさりと廃止されてしまった銀河も、新しい車両を導入するとか、もうすこしやりようはあったのではないかなと思います。もっと寝られれば、ぼくももっと利用したものですが…。
まぁそんなことに想いを馳せるのもつかの間、例によってお酒持ち込みの飲み会へとなだれ込むのでした…。流れる夜の車窓を眺めながらグラスを傾けるのも、なかなか贅沢なものです。ぐっすり眠れたのは車両の居住性の良さもありますが、揺れる列車の中でのお酒の回りの早さもあるかもしれません。
さてさて、乗り込んだサンライズ瀬戸の終点、高松はさぬきうどんで有名です。さぬきうどんといえば、我らが相模鉄道横浜駅構内にも何故かさぬきうどんを提供する立ち食いうどん店があり、長らくの大ファンです。残業で何も食べていないときの帰宅時に、素うどん ¥270 におろし生姜をたっぷり入れたものをかっ食らうことが出来れば、とても安上がりに最高の幸せを享受することが出来ます。私鉄駅の構内という特殊な立地にあり、しかも立ち食いという形態ながら、まれに女性客もお目にかけるくらいの人気店です。
そのさぬきうどん屋はその場で機械による製麺(麺切り作業のみ?)を行っているので打ちたてが食べられるのが売りですが、いかんせん機械なのでその日の天候で出来にむらがあったり、コシもとんでもなくあるというわけではありません。まぁ関東の駅そば屋で食べるうどんよりはよっぽどましですけどね。つゆは醤油の量が関西と関東の中間くらいで、厳しく言えば中途半端。まぁ関東で出店するにあたって若干の関東ナイズが程された結果なのだとは思います。しかしそのためか種もの重視のメニュー構成でうどんの味を真に楽しませるメニューの商品力が弱く、すうどんが ¥270 あるのに対し、うどん好き泣かせの釜上げうどんが ¥430 もするのはちょっと割高感を感じざるを得ません。おそらく四国で食べたら ¥100 だと思います。もちろん素うどんのおろし生姜入りでも十分美味しいのです。駅そば屋レベルでこれだけのものを食べさせてくれるところもそうそうないでしょう。
そんなわけで今回の食の目当てである讃岐うどんはとても楽しみにしていました。特にお目当てはよりディープな製麺所形態の店舗で、セルフ形態(関東の例だとはなまるうどんとか)より自主性を求められ、ネギ切りや皿洗いはもちろんセルフで行い、ネギを畑から収穫することすら求められるようなとんでもないところもあるそうです。はたして都会生活に依存しきってしまってスーパーでしかネギを買ってきたことがな私たちに、うどんへの道は開けるのか…
まずはプロローグということで、サンライズ降車直後に高松駅構内にある、立ち食いうどん屋に入りました。なんでも、瀬戸大橋がまだないころに運航されていたかつての宇高連絡船内 *1 のうどん店の味を再現したと謳っていました。映画 UDON で語られていたことなのですが、かつての宇高連絡船のうどんは実はそれほど美味しくないらしいです(笑)しかしかつての四国人は、宇高連絡船内の美味しくないうどんであっても、故郷に帰ってきたことを身を持って実感してきたそうです。そして実際に食してみたら、やはりそれほど美味しくない、普通の立ち食いうどんの味でした(笑)ここで累計1玉。
駅を出たあとはレンタカーを取りにいき、その足で最初は軽いジャブ程度に高松市役所(県庁?)の前にあったチェーン店系の店に入りました。入店したらまずうどん玉数を申告の上どんぶりを受け取り、好きな種ものを自分で載せていき、最後にレジで会計してから着席するいわゆるセルフ形態の店です。ここではまずシンプルにかけうどんを、腹も減っていたので2玉注文してネギを載せ、たっぷりのおろし生姜をかけました。そう、これは横浜の星のうどんでいつも食べている食べ方です。ただし ¥270 ではなく、 ¥150 位だったと思います。安い!! ここで累計3玉。
出汁も予想通りかなり色が薄く、その透明度は関東としてはかなり薄めである星のうどんの倍くらいあるのではないでしょうか。うどんもつやつやもちもちしていて、相当美味です。そういえば関東のうどんはコシを表す「もちもち」は重視しますが、滑らかさである「つやつや」にこだわることってあまり聞いたことないですね。冗談抜きで、麺が輝いて見えるのですよ。それにしてもチェーン店とはいえ、最初からそこそこの当たりな店でした。これからはしごするであろう製麺所への期待が俄然高まるってやつじゃないですか。
まず最初に訪れたのが池上製麺所というところで、そこそこ有名なところです。しかし製麺所はあくまでも工場に過ぎず、看板もない民家のような建屋でやっているところも多いと聞いていたので、住所を調べて勘も交えて池上製麺所を探しました。しかしなかなか見つけることが出来ず、車で右往左往しながらやはり素人の関東人が安易に手を出す道ではなかったか、外来者らしく88カ所お遍路にでも励むのが所詮お似合いなのか、と気落ちモードになりつつありました。そうこうして盛り下がっているうちに持っている住所情報が移転前のもであることが判明。新住所を携えて移転先へと向かいました。そしてたどり着いた先はー
なんだ普通の店舗じゃないですか(笑) ラーメン屋みたいなプレハブの建物に長蛇の列。一発で見つけることが出来ました。
そして頂いたのは冷やしうどんに卵を入れたもの。本当は釜玉にしたかったのですが、釜上げうどんがなかったので仕方なく。そして出てきたものにびっくり仰天。とにかく見ただけでつやつや加減の凄さが良くわかります。心なしか虹色に輝いているようにも見えます。食してみてももちもち、つやつやともに完璧な出来でした。香川県民はこんな凄いうどんを食べることが出来るんですね、うらやましいですねー。ここまでで累計5玉。
その後は森製麺所という、いりこ出汁の味が特徴的な製麺所に行き、ここはいわゆる駅そばのようなスタイルの店でした。この店でついに6玉目を迎えたことにより胃袋のキャパシティが限界を迎え、製麺所めぐりは終了となったのですが、結局前述通りの畑からネギを引き抜いてくるような製麺所に行くことは出来ませんでした。なんでもそういったところは高松からかなり南下して徳島寄りくらいにならないと存在しないようです。次回は胃袋も時間も余裕を持たせた上でさぬきうどん製麺所ツアーに臨みたいものです。
その後は高松駅から予讃線の特急いしづちで 200km を西に爆走、私も爆睡(笑)。天気も良くて眺めの良い瀬戸内海の景色を見逃してしまいました。それにしても道南旅行のときもそうですが、私たちの旅行は鉄道で長距離移動しなけりゃ気が済まないらしい…。
そして第二の目標、松山へ。松山といえば道後温泉。そしてやはり行かなければならない道後温泉本館。道後温泉本館はいわゆる共同浴場であり、銭湯のように番台でお金を払えば誰でもお湯につかることが出来るというもの。まっ、要するに銭湯ですね。
数寄屋造りの重厚な建家は渋温泉でお世話になった金具屋と同じく、千と千尋の神隠しに出てくる油屋のモデルとなったことで有名です。ちなみに夜に行くと、より「千と千尋」風で面白いです。そんな建物が公衆浴場として依然使われていることも驚きですが、近々大幅な改修を施さなければならないような状態になっているとのこと。風呂自体は普通の銭湯でした(笑)
宿は道後温泉街ではなく、伊予鉄道の路面電車で 10 分程度の大街道という場所のビジネスホテルにしました。道後温泉街のホテルは一泊二万円越えの強気の商売をしているところばかりで、どうせ風呂は外(道後温泉本館)に行くので、それだけのお金を払う価値はないという判断です。白骨温泉の齋藤旅館みたいなところだったら、たとえ数万円出しても惜しくないのですが、ごくごく普通のホテルなんですよねー。
市内の移動にはもっぱら伊予鉄道の路面電車を利用。当方広島生まれで広島市内の路面電車にはさんざんお世話になったことから、路面電車の走る街を訪ねるとちょっとした帰郷感(?)を覚えます。
伊予鉄道は松山の観光のシンボルのために、過去に走っていた坊っちゃん列車を復元した列車が走っています。本物の坊ちゃん列車は蒸気機関車ですが、復元車はディーゼル車です。しかし油圧による転換機構など、当時はなかったであろうとんでも無い機能も持ち合わせているようでなかなか侮れないものがあります。松山市駅にて後続の電車がどんどん押し寄せる中、転車台もなしで短時間で手際よく転回作業(機関車を客車から切り離し、180度転回させた上で客車の反対側に連結する作業)をこなすさまは圧倒されました。
それにしても観光列車「坊ちゃん列車」のサービスといい、全線 ¥150 という値段の安さといい、伊予鉄道の企業努力のすばらしさが、旅行者の私にもよく分かりました。それに対して松山市営である道後温泉本館自体があまりにも普通の温泉過ぎて、こっちの方はもうすこし頑張って欲しいかなと思います。先ほど書いたように周辺のホテルもあり得ないほど殿様商売で、道後温泉本館の数寄屋造りの歴史に甘んじすぎているのかなと思いました。次回の四国は「お遍路八十八カ所めぐりながらの讃岐うどん製麺所めぐり」としゃれ込んでみたいと思います。
最近、「うどん」という日本の映画を観ました。
登場する俳優さんやストーリーが魅力的で印象に残りました。
松山で友達が結婚して夫婦でうどん屋さん(かなり有名だとか)をやっているので、機会があれば行ってみてください☆
>kaicho さん
関内駅北口の讃岐うどん屋は私も検知済みです。関内に下車する機会があまりないので、いまだ行けていませんが…いや、実は行ったことあるのですが酔っ払っていて余りよく覚えておりません(笑)
>ふみ さん
やややや、その情報をあと一ヶ月早く知っていれば!!
「UDON」は讃岐うどん巡り入門編として私も重宝させて頂きました。
高松出張の時、うどん三昧したけれど、
有名な老舗のうどんより、
駅前ロータリーにある掘っ立て小屋のセルフうどんが絶品でしたぁ。
ちなみに関内駅北口にあるうどん屋、
ぶっかけもある本格讃岐うどんで、美味なり。
ジャズライブに行く時は必ずそこで腹ごなしですぅ。
あったかいぶっかけか、温玉か・・・