Synthogy Ivory (1)

VSTi プラグイン形式のピアノ音源、Synthogy Ivory を買っちゃいました。それまでの経緯など。

渋谷にピアノ買いに。

鍵盤堂から渋谷ロータリー俯瞰

 まだ雪も融け切らぬ 22 日の午後、私はとある買い物のために渋谷の地にいました。横浜山奥在住の田舎者の私が渋谷に来る用事といえば、ABC にマニアックな画集とか写真集とかを買いに行くときか、すみや本店に怪しげなサントラを買いに行くときがほとんど。あとは横浜か町田で大抵の用事は済むってもんです。

 しかし今回の渋谷訪問の目的はそれらのどちらでもありません。目指す目的地は「鍵盤堂」。ピアノを買いに行ったのです。

 …という導入で書くと多いに誤解を招きそうですが(笑)、ピアノといってもあの筐体をまるごとではなくてピアノの音源部分だけです。しかも VSTi プラグインとして使えるソフトウェアサンプラーです。うちにあるデジタルピアノに繋いで使いたいのさ~。

YAMAHA P-80 の音に飽きちゃった…

 もちろん気持ちいい音でピアノを弾いて練習したいから!! ただそのための投資です。安い買い物ではないですからね(でも4万円超えませんが…)。

 今使っている YAMAHA P-80 も練習用としては決して悪いピアノではないんですが、何せ 1999 年ごろ発売の機種なので古さは否めません。音源部も時代と価格から考えて、おそらく 36KHz PCM と思われます。サンプリングメモリもこれまた価格から推測するに数十メガバイト程度でしょう。2005 年ごろに発表された P-80 の後継である YAMAHA P-90 は、外見も価格帯も表面上のカタログ性能も全く同じですが、おそらく PCM のサンプリングを採り直して、44.1KHz (またはそれ以上の?)音源部に載せ替えたマイナーチェンジ的な製品と思われます。6年もたてばメモリの価格もプロセッサ *1 の性能も大きく変わりますから、同じ価格帯でより高い性能に出来るわけです。

 サンプリング周波数が演奏にどのように影響するのか。たとえばコード表記で言う CM7「ど」「み」「そ」「し」(いずれも黒鍵は使わない)で構成された和音ですが、これを転回型とすると下から順に「そ」「し」「ど」「み」となります。この型だと「し」と「ど」の間の音程差は半音しかありません。サンプリング周波数が低くて倍音成分が少ないデジタルピアノ(に限らずあらゆる PCM シンセは)このときに気持ち悪いうねりが起こります。周波数が近しい音程がぶつかると、これが起こってしまうのですが、周波数の上限を打ち切ってしまう PCM 方式のシンセではどうしても避けられません。
 これを避けるためにはサンプリング周波数を無限に上げてより自然音に近い音を再現すればいいのですが、プロセッサの性能とメモリの容量には上限がありますので自ずと限界があります。

 このデジタルピアノ特有の気持ち悪さのせいで、通っている音楽教室で弾いた音とあまりにも違う音になってしまうので、自宅でコードの組み立て実験がやりにくくてしょうがないんですよね。家である程度の伴奏を考えてレッスンに臨んでも、先生にあっさり却下されて気持ち悪いと思っていた方法に修正されたりとか。教室のピアノだといい音なんですが、家で同じことをやっても再現性がないことが結構あるんですよ。だから最近は家で伴奏を考えないことにしていました。

ピアノの外部音源として何にするべきかな?

 だったらとっとと P-80 をヤフオクにでも売りに出して、そのアガリで最新の P-90 買えばいいのですが、別に壊れた訳じゃないからなぁ。この鍵盤の堅さも結構好きですし。そして何より身の回りでも使っている人が多いソフトウェアサンプラーにも前々から興味を持っていたので、鍵盤自体はそのままで音源だけ差し替える形を取るのも面白いしエコロジーで京都議定書的にもオッケーかなと(笑)。それと楽器を全く使わず PC 上で一つの音楽を完結させてしまう DAW っぽいことにも、時代に取り残されない程度にはちょっと触れておきたかったんですよ。やっぱり冒険心は追求してみたいじゃないですか。

 そんなわけで結論から言うと、ソフトウェアサンプラー *2 である Synthogy Ivory を選んだわけですが、ここまで来るのには長い迷いの時期があったことも忘れてはなりません。軽く2年以上は迷ったぞ(笑)。
 ちょっと簡単に、私を迷わせてくれたピアノ音源製品リストをソフトウェア・ハードウェア楽器織り交ぜてご紹介~。

KURZWEIL ME1
世界の三大デジタルピアノメーカーはおそらく YAMAHA と Roland と、こいつを作っている KURZWEIL でしょう。KURZWEIL は日本国内では代理店が弱すぎる関係でいまいちメジャーになり切れていないのですが、外国の評価では他の2社を抜いて最も高いです。
 これは KURZWEIL 製のハーフラックピアノ音源で、ピアノ以外にもドラムやベースなどの音源も持っていることから、寂しい一人セッションにも大いに活躍しそう(笑)。単体音源として持ち運べるのも、ライブ活動をする人にとって強みですね(私はしませんが)。ただひとつ気になるのが同時発音数 32 というスペック。クラシック弾いたらアウトでしょ(私は弾きませんが)。
GIGA PIANO シリーズ
 PC を用いてサンプル容量にモノをいわせた凄いデジタルピアノを作ってしまおうというアプローチの先駆け? 2000 年から続くシリーズですが、ソフトウェアサンプラーでピアノが出来るということを初めて知ったソフトウェア・ピアノサンプル。でもモノをいわせたワリには、うねりの問題があまり改善されていなくてちょっと残念に思ったりもしたんですね…。
YAMAHA のピアノプラグインボード
 YAMAHA の作っているシンセサイザーの多くはカードを追加することで楽器や機能を追加することの出来るプラグインシステムを持っています。これにピアノのカードを差すという手。YAMAHA 製なので恐らく大きなハズレは引かないだろうという安心感と、メーカーが同じなだけに普段触れている P-80 に近い感触が得られそうです。しかし、音楽製作をすることはないと思いますし、何よりお金がかかりすぎるからやめました。フルサイズのラックマウント音源買うのもジャマですし。

 実物のピアノが一つもないじゃないの、というツッコミは勘弁ね(笑) そりゃー買えるお金と環境があれば買いますよ!

SYNTHOGY Ivory

 で、Synthogy Ivory。これを選んだ理由として、ピアノ音源として秀逸であることは大前提なのでそれ以外の点を。

  • Kurzweil の技術者が製作に関わっている。
  • Bosendorfer 290 Imperial Grand
    German Steinway model D nine-foot concert grand
    Yamaha C7 grand
    の3台が入って ¥40,000 を切る価格はお買い得。
  • ベロシティマッピングを調整出来るので、外部の鍵盤を使って演奏する際に調整が行いやすい。

 ま、やっぱりお買い得という点が一番強いですかね(笑)。

Ivory は DVD-ROM 10 枚組

 箱を開けると DVD-ROM 10 枚組という鬼のようなメディアの量。それから察することが出来るように凄いピアノサンプルなのですが、PC に求める推奨動作環境スペックも高いです。

  • Pentium 4/2GHz 以上。
  • RAM 空き容量 2GB 以上。
  • ハードディスク空き容量 41GB 以上。
  • ハードディスク速度 7200 RPM 以上。

 とくにサンプルを格納するハードディスクに対する要求は高くて、ドライブには Ivory サンプル以外のデータは入れるなとのこと。つまり専用のドライブを用意しろということ。
うちの PC にはこれ以上ハードディスク刺さらないので、既に使っているドライブを一時的に外して急遽タンス(?)の奥から使わなくなった HDD を引っ張り出してきて専用ドライブとしました。マザーのコネクタに余裕のある SATA ドライブもう一台買うか…。

 ここまで書いて結構長くなってしまいました。導入記や使用レポートなどは次回以降のエントリーをお楽しみに。おそらく3回くらいのボリュームになると思われます。(^^;

  • *1 厳密に言うと D/A コンバータの性能です。
  • *2 PC に PCM シンセサイザーの機能を持たせて、PC を楽器にしてしまおうというもの。サンプルを入れてやることで、自分の好きな楽器にすることが出来ます。

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January 26, 2006 Comments (0) Trackback (0)
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