友人 M のお誘いでスコッチ文化研究所に入所(?)する運びとなりました。スコッチ(モルト・ウィスキー)は飲みますが、オフィシャル物以外に手を出すと種類も金額もキリがないので余り深入りせずに、お酒覚えるならやっぱりカクテルかなという考えのもと一時モルトとは距離を置いてきましたが、考えが変わり入所(…って書くとムショ入りみたいですね・笑)することにしました。
もうひとつ、入所する決意に至った魅力があります。それはスコッチ文化研究所主催の蒸留所ツアーに参加すると、一般見学では立ち入れないようなところも見学することが出来、案内係も工場長クラスの人が案内してくれるという VIP 待遇をして頂けるとのこと。某友人氏が圧力団体と表現していましたが、あながち間違いでもないかも知れません(笑)
そんなわけでスコッチ文化研究所主催のイベント(正確には横浜支部主催)、山崎蒸留所見学ツアーに友人と一緒に参加させていただきました。
今回のツアーは京都・山崎での現地集合・現地解散。前日から京都入りして観光をゆっくり楽しむという手もあったのですが、お仕事の都合で日帰りツアーにしました。行きは飛行機、帰りは新幹線の強行軍です。行きの飛行機で Skip で登場できないというトラブルが起き、早くも暗雲が…。まぁその後紙のチケットを再発行という形で飛行機に乗ることは出来たのですが、チケットレスなのに時間がかかっているというのは一体…orz。まぁこれからも仕事であの辺は行くことも多いでしょうから、何回も試してやるぜ。
そんなこんなで目的地である JR 山崎駅に到着。
蒸留所ツアーは前回行ったニッカ仙台蒸留所に行ったときと同じく、さまざまな設備を工程順に見ていくのですが、工程ごとの設備は以下の通り。
の順に追っていくことになりますが、最初の製麦工程は既に出来上がった物を輸入してくるのでありません。よってウィスキーキャット *1 にも会うことは出来ません…。ところで仙台蒸留所にはキルンだけありましたが、山崎はどうだったでしょう。見学終了後の試飲を交えたプレゼンでピートの焚きしめについて解説されましたが、キルンを使わずにもっと工業的にやっているんですかね。
仙台蒸留所ではマッシュタンを一部分をガラス越しにしか見せてくれず大きさもピンと来ませんでしたが、山崎では見下ろす形で近くから見ることが出来るのでその大きさがよく分かりました。この中で酵素の力で澱粉を糖に変えていきます。
ウォッシュバックと呼ばれる大きな桶で、酵母のアルコール発酵の力で度数 6 ~ 8% のウォッシュという醸造酒を作ります。研究所員の特典(笑)でウオッシュバック内の発酵の様子も見ることが出来たのですが、発酵中の泡立ちの凄まじさといったら! 暗すぎて写真に撮ることが出来なかったのが残念です。
モルトの製造工程で、一番モルトらしいのは蒸留でしょう。なかでも山崎蒸留所は 12 器ものポットスティルがあり、ずらりと並んだその光景にはただ圧倒されるばかり。12 器それぞれ形が違うのですが、この形でウィスキーの味も違ってきます。世界中の蒸留所でもこれだけ揃えているところは珍しく、友人氏は金満蒸留所とか呼んでいました(笑)。もうこれだけあれば何でも作れちゃいますね。
そして最後はモルトがモルトたるための必須工程、熟成庫(セラー)です。広々としていますがこれはあくまでも観光用のためのもので、実際にはもっと樽がぎゅうぎゅうになっているそうです。山崎蒸留所では樽一個分単位で販売するオーナーズカスクの熟成を行っており、今回特別に(?)中にも入れて頂いたのでどんな有名人が買っているのかと思って楽しみにしていたのですが、ニックネームみたいなものばかり…ちょっと残念。
見学終了後は例によって試飲会になだれ込むのでした…しかしただの試飲ではなく、サントリーの主席ブレンダーさんがわざわざ休日出勤(?)までしてくれて、解説付きでの試飲です。
サントリーのモルトといえばやはり山崎とか白州あたりが有名ですが(響は高すぎて飲めない)、いずれも 12 年は可もなく不可もなくなお酒なので試飲自体はあまり期待していなませんでした。しかし、なんと山崎・白州だけで8種類もサンプルが出てきました!
しつこいようですが山崎も白州も(12 年は)味的にも無難な部類(優等生と表現しておきましょう)に入るので、どうせオーソドックスな作り方ばかりしているんだろうなと偏見を持っていたのですが、これらのサンプルを試してそのイメージは一掃されてしまいました。
そもそもサントリーのウィスキーにシェリー樽熟成やミズナラ樽熟成やスモーキー(泥炭の香りを強くしたタイプ)を謳った商品は存在しませんので、こういったものたちが造られていること自体驚きでした。特にミズナラ樽熟成は日本だけで行われているもので(普通はオーク樽)、和製モルトならではの味でしょう。それぞれに個性的で美味しく、単品販売しても十分に商品として成立するくらいの出来でした。ぜひ商品化して欲しいものです。
主席ブレンダーの解説は続き、これらは主力商品である山崎や白州などのブレンド材料となり、常に安定した品質のウィスキーを提供させるためのもので、これらのみで商品化と言うことは考えていない旨とのことでした。なるほど、日本人らしい考えですね。確かに海外のモルトは個性的で美味しいものも多いのですが、びっくりするくらい不味いものも珍しくありません。話を聞きながら、トヨタの 80 点主義を連想してしまいました。ブランドとして安定したものを作り続けることがいかに大変かがよく分かりました。
ほかにも熟成用の樽を確保するために、海外の製樽業者を訪ねた際の苦労話など、楽しい話をたくさん聞くことが出来て、非常に有意義でした。おみやげに山崎のシングルバレル貰ってしまいました。無料のツアーなのに…さすが圧力団体です(笑)。ちなみにちゃんとしたおみやげには例のシェリー樽を買って帰りましたとさ。これがまたうまい!
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