Whisky Magazine Live! 2009

先日のウィスキーフェスティバルに続き、東京ビックサイトにて開催された、ウィスキーマガジン主催の Whisky Magazine Live! に行ってきました。

オープニングセレモニーの風景。

 先日のウィスキーフェスティバルに続き、東京ビックサイトにて開催された、ウィスキーマガジン主催の Whisky Magazine Live! に行ってきました。

 いわば東京モーターショウのウィスキー版ですが、車のように技術の進歩で新製品が目まぐるしく変わるわけでもなく、もっぱら目当てはダンカン・テイラーを格安で飲みに行くことです。ライヴではマスタークラスと呼ばれる有料のセミナーが開講されるのですが、試飲ということでいくつかのサンプルも提供されます。中でもダンカン・テイラーは 30 年物以上のオールドボトルが主力商品のため、当然それらが出てくることになるのですが、数十万円を超えることも珍しくないボトルがセミナー料金の三千円で頂けるのですから、このチャンスを逃さない手はありません。今回はダンカン・テイラーのほかに、最近操業を始めたばかりのベンチャーウィスキー(社是の分かりやすい社名ですね)の秩父蒸留所のマスタークラスも受けてきました。

 ダンカン・テイラーのマスタークラスは超人気講義で、前売りの段階で押さえておかないと受講することが出来ません。前売り発売日の日付に変わった直後に即申し込みを入れることで、今年を含めた今までの2回は無事に受講することが出来ていますが、抽選なのでやはりいつかは漏れてしまうことはあるのでしょうか。

 そしてそうこうしてまで前売りを手に入れたのにも関わらず、直前になって「仕事の都合でキャンセルになりそう」との同行予定 M 氏からの悲しい連絡が。寂しいけど一人で行ってくるかー、チケットがあれば試飲サンプルを M 氏のために一人分お持ち帰りさせてもらうことは出来るかなー、容器はどうしようかなーと悶々と考えていたら、当日現地に向かう途中に何とか行けそうとの連絡が。とりあえずひと安心です。なんでも午前中に仕事してから向かうとのことで、かなり無理しているっぽいですが、一年に一度のイベントですからね。

今年の日本ウィスキー大賞は~

 ビッグサイトに到着後、開場してすぐにオープニングセレモニーが行われます。その中で 2008 年のジャパニーズウィスキー部門の受賞ボトルが披露目されるのですが、サントリーとニッカとイチローズモルト(ベンチャーウィスキー)ばかりなので、まるで出来レースのような印象さえ受けてしまいます。まぁここは蒸留所がひしめくスコットランドではなく日本ですから、選択肢の少なさからいっても仕方がないですね。前述の蒸留所以外でも、メルシャンや江井ヶ島がありますが、それらのいずれも積極的な製造は既に行われていませんし。

マスタークラス「ダンカン・テイラー」
ユーモアたっぷりに講義は進みます。

 そしてセレモニーが終わるとマスタークラス会場へと急ぎます。アナウンスでもその旨告知が。地下会場からみんな一斉に会議棟の6Fまでエスカレーターにて向かいますが、そういえばプラモか何かのイベント開始直後に人で溢れてエスカレータが逆流してしまう事故が起きたのはこのビッグサイトでしたね...人数規模が違うから大丈夫でしょうが。

 会議室に入ったら迷わず一番前のリングサイド席を陣取り、合流予定の M 氏の席も確保しましたが、もし来なかったら顰蹙モノだよな...と不安に思っている最中に M 氏到着。開講 10 分前でしたが、本当にギリギリでしたねぇ。

 講義内容は最高経営責任者の Euan Shand 氏と販売担当重役の Mark Watt 氏の話を交えながら、テイスティングを進めていくという形式は前回と同じ。しかし Watt 氏の恰幅の良さっぷりは本当に 20 代かと疑ってしまいます。質疑応答でその体形は職業に依るものですかと質問したくてたまりませんでしたが、他のセミナー受講者とはしごく真面目な質疑応答が交わされていたので、とてもそんなことは出来ませんでした。

 さてさてお楽しみの試飲サンプルリストですが、以下の通りでした。

  • North Port 1981
  • Caol Ila 1982
  • Cameronbridge 1979
  • Glenrothes 1968
  • Tomain 1965
  • Rare Auld Blended

 全部が全部超熟物で、すべての素晴らしさにひたすら感動してばかりでした。中でもユニークだったのが Cameronbridge で、中身はグレーンウィスキーなのでどちらかというとブレンデッドウィスキーの材料の一つとして使われるに過ぎない物なのですが、熟成とともにグレーン特有のくどい香りがかなり丸まっていてほとんど感じられませんでした。これが超熟がなし得る魅力なのだなぁと思いつつ、結局手間をかける(自分で作る)ことが出来ないお酒というジャンルは、旨い物に出会うにはお金をかけるしかないのかなあという、挫折に近い何かを強制認識させられるような感覚に陥っていまいました。そして Euan Shand 氏自らブレンドした Rare Auld Blended の旨さもとんでもなかったです。

おつまみブースが増えましたか
ちょっと異色な 100%ChocolateCafe.ブース。

 その後は昼食を挟んで適当に業者ブースを回っていると、明治製菓のチョコレートブランド 100% Chocolate Café. が。去年受けたマスタークラスの「ウィスキーとチョコレート」でショコラに混じってチョコを提供していたブランドのうちの一つですが、ウィスキーとのコラボがいけるということと、ホワイトデー前というタイミングのせいもあるのか、今年からは正規のブース出店を成し遂げたようです。今後このイベントが拡大の一途をたどるとしてもウィスキー製造・販売業者の数や規模なんてのはたかが知れているので、そのうち高級ショコラブランドなんかも出てくるかもしれませんね。まぁ私はアポロで十分なんですが(笑)。実は個人的には納豆もいけるんじゃないかと思っていますので、そちら方面にもぜひ出店を願いたいものです。チーズ卸業者も欲しいですね、チーズ王国とか。

マスタークラス「秩父蒸留所」

 そして2回目、かつ最後のマスタークラスである秩父蒸留所が開講される時間がやってきました。去年は3つのマスタークラスを受けたのですが、それぞれの講座で試飲があるので3回目は相当酔っぱらってしまって講義どころではなかったという反省を踏まえ、今年は2回に抑えたのですが、1回目の講義が終わってブースを回った時点でもうへろへろです。口当たりが良い割に度数がそれなりにある(50度くらい)のと、午前中からつまみも食べずに超熟モルトを飲むのはやはり体が狂っちゃうのですかね。秩父蒸留所マスタークラスで出された試飲サンプルのニューポット(蒸留したての全く熟成を経ていない物)がもう体にとって痛くて痛くてたまりませんでした。ポットスチルの冷却器の形態で味が変わるとかが講義されていたような気がしますがあまりちゃんと聞いていませんでしたので、後で内容を同行 M 氏に訊くこととします(笑)。来年の課題は隠しつまみ持参ですね。しかし同行 M 氏はしっかり持ってきていたようです(笑)

メイン会場
蒸留所 vs ボトラーズのディベート風景。

 去年は3つのマスタークラスで忙しかったこともあり、メイン会場はちょっとしか寄ることが出来ませんでした。しかし今回はそこそこ時間を割くことが出来、結構おもしろいイベントが行われていることを知りました。プロのブレンダーによるブレンデットウィスキー製作講座や、蒸留所とボトラーズ(熟成屋)とのディベートなど、けっこう企画性が高くて魅せるイベントをやっていました。私個人的なリクエストを挙げさせていただければ、かつてサントリーに勤めていたが考えの相反により退職したニッカ創業者の竹鶴氏 vs 当時のサントリー代表・鳥井信治郎とのバトルを希望します。ともに他界されていますが(笑)

 そんなこんなで宴もたけなわ、会場の人口密度の増えっぷりと、酔いの回りによる平均体温上昇の効果と相まって、会場全体の居心地が悪くなってきたころがこのイベントのナイスな引き際です。15時頃にはそそくさと退場しました。

その後の...

 しかしその後の二次会以降もなかなか凄いものでした。まずは酔いを覚ますために横浜東口にある Sky Spa でひとっ風呂浴び、その後は西口にある何を食べても旨いイングリッシュパブになだれ込み、調子に乗って関内まで繰り出して格安でスコッチ(またかよ...)が飲めるチェーン展開しているイングリッシュパブにつめかけ、酔っぱらった勢いに任せて中華街にある女性バーテンダーばかりのバー(といっても、決して怪しいところではなく)でカクテルを2杯ほどひっかけてお疲れさまと相成りました。いやー4軒(マガジンライブ含む)のハシゴというのも久々で凄いのですが、昼の 11 時からほぼ 12 時間延々と飲んでいたと思うと少しやりすぎだよなーと後日反省。

まとめ

 そんなわけで2回目の Whisky Magazine Live! 参加も無事に終わりましたが、この拡張し続けるイベントの行く先が少々気になりました。参加記念グラスをオンライン誓約書持参者に限定する措置(事実上の参加事前申告制)が今年から始まりましたが、おそらくウナギ昇りの参加人数を予測することが難しくなってきているのだと思われます。クロークも今年から廃止されてしまったそうです。参加人数がこれだけあるのは世界各国の Whisky Magazine Live! でも日本だけだそうで、本当に不景気なのか?と疑いたくなってしまいます。

 そして、冒頭にも少し書きましたがウィスキーという物自体、目まぐるしく何かが変わるというわけでもなく、時代に合わせた需要に応えるにしても、日本酒やワインと違いそれが反映されるのは熟成のため 10 年後です。最近話題の秩父蒸留所も今は商品になる物が何もなく、実際に商売が出来るのは 10 年後です。ウィスキーのイベントは毎年続けるにはネタ的に厳しいかなぁと思います。営業サイドからしてみれば商品を毎年アピールする絶好の機会でしょうが、客からしてみれば普段飲めない物が安く飲める、飲み屋程度にしか思われなくなってしまったら終わりでしょう。実際私がそれに近いですが、とりあえず来年もダンカン・テイラーは行きます(笑)


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March 3, 2009 Comments (0) Trackback (0)
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