今年も参加して参りました、ウィスキーの祭典 Whisky Magazine Live 2010 @東京ビッグサイト。
今年は同行予定だった友人 M 氏が仕事で午後からの参加となってしまい、一人で東京ビッグサイトに向かいます。そういえば初めて参加したときは東京は武蔵村山に短期間住んでいた頃で、そのときも西武新宿線で一人で向かったなぁ、なんて懐かしく思いながらいざお台場へ。
横浜からビッグサイトに向かうときは、今まではりんかい線経由にしていましたが、空港シャトルバスターミナル YCAT から東京ビッグサイト行きの高速バスが 800 円の運賃で出ているとのことで、今回はそちらを利用してみました。大井町で乗り換えしないで済むのと、国際展示場駅からビッグサイトまでてくてく歩かずに済むので、若干高めですがこちらのほうがメリットは多そうです。表定所要時間は1時間でしたが、実際には 45 分で到着することが出来ました。電車だと乗車 35 分+徒歩約 10 分があることを考えると、電車より 100 円高くてもこちらの方に分があります。しかも今回のような酒飲みイベントだと、帰りの行程でゆっくり泥酔出来るというメリットもあります。まぁしませんが。
バスが到着したビッグサイトの2番ポールバス停からは、Whisky Magazine Live の開催されている会議棟は目と鼻の先でした。ますます便利ですね。今回は酔っぱらって迷惑をかけない旨の誓約書のかわりとして、Whisky Magazine Live カードなるものを提示すればそのまますんなり入場です。
オープニングセレモニー直後で入場者もまだまだまばらで、ゆっくり見物することが出来ました。今年はこのイベントから帰った後にも予定が入っていたのであまり酔っぱらうわけに行かず、抑えめに試飲コーナーを回りました。その後合流した友人 M 氏が延髄ものの BLACK BOWMORE の有料試飲(一本数十万円のボトルを一杯数千円で)などがありましたが、身分に見合わない高いお酒に味を占めてしまうのが怖いぼくはスルー。それにしてもその名の通り真っ黒ですね。午後には無くなってしまっていましたが、M 氏の為にスキットルにでも取って置けば良かったですね。
熟成期間の必要なスコッチウィスキーは作り始めてから製品になるまで十数年は必要なため、ブームといえどもそれほど去年と大幅に出店ブースが異なるわけではありませんが、明治製菓のチョコレート関連が撤退していたのと、やはりこれまた居酒屋に猛烈に販路を広げてサーバが普及しまくっているサントリーのハイボールの出店が目新しく感じました。普通の各ハイボール、白州を使った森のハイボール(ミントでアクセント付けしてある)などが無料で試飲することが出来ました。ハイボールでサントリーは相当販路を広げているみたいですからねぇ。
午後も遅くなってくると入場者数が倍近くになって混雑し、それに伴って試飲サンプルを切らしてしまって営業終了状態のブースが出てきてしまうのと、酔っぱらいの熱気で会場内の不快指数が一気に上昇してしまって居心地が大変悪くなってしまうので、出店ブースを堪能するためには開場からいた方が良いですね。特に入場者数の人口密度は年々確実に上がってきています。
Whisky Magazine Live の楽しみはブース展示に加えて、会議室にて開講されるマスタークラスも忘れてはいけません。今年は Bowmore 蒸留所 とニッカブレンデッドウイスキーの魅力についてをセレクトしてみました。
Bowmore は最初、かつてとあるバーでお借りしたことのある販促用(?)の DVD を流すだけという内容から始まり、ちょっとげんなり。後半こそは樽のことについて、丸太からの木材の切り出し方、などについて語られました。こういったことについて深く掘り下げて聞いたことがなかったので珍しい話題でした。しかし、講義終了予定時間直前になってもまったく手を付けなかった試飲サンプルはすべて商品として流通しているものばかりで、あまり面白味がなかったのがとても残念。以前受講したことのある海外の蒸留所のマスタークラスもどれも似たようなもので、サンプルはすべて商品として売られているものばかりで講義の目的に拡販的要素がありすぎるのと、講義内容についてもウィスキーの作り方について一方的に披露した後はお国自慢になってしまいがちなようですね...今回の Bowmore もそうでした。海外の蒸留所の試飲サンプルが一般的に流通している商品ばっかりになってしまってつまらないのは、ひょっとしたら試飲用といえども国を超えて酒を持ってくるので、商品以外のお酒を持ち込む場合に酒税法まわりをクリアに出来ないためですかねぇ。
ジャパニーズウィスキーとして唯一受講した(と言っても今年は2つしか受けていませんが)「ニッカブレンデッドウイスキーの魅力について」の方が活気があって楽しめました。ニッカは「鶴」をはじめとして 10 種類以上のブレンデッドを販売していますが、なかでもスーパーニッカは 1962 年の発売以来、去年 47 年ぶりに味の大幅なリニューアルを行った話題のブレンデッドウィスキーです。今回のマスタークラスのテーマはこのスーパーニッカについてでした。
会場内に入ると5つの試飲用グラス(うちひとつはスーパーニッカ)と、何故かウィルキンソン(ニッカの親会社であるアサヒビールの商品)の炭酸水が置かれていました。ブレンダー室の山下英俊氏が壇上に現れ、「まずは今回皆さんとお会いできたことを祝して乾杯と行きましょう」ということで、最初からいきなりスーパーニッカのソーダ割りで乾杯~! しょっぱなから会場の雰囲気が沸いてきました。
講義内容としては、スーパーニッカを構成する4種類のキーモルト(主要な構成原酒)の解説から始まりました。スーパーニッカは
をキーモルトにしているとのこと。それぞれ試飲した印象としては、ヘビーピートは名前に反してそれほどピート香の強くないおとなしめの香りで、新樽は新しいオークまんまの香り、シェリー樽はシェリー樽にありがちなシェリーぷんぷんの「どシェリー」ではなくこれまたハイバランスな上品な香り、カフェグレーン原酒はもっと焼酎風の強烈なトゲトゲしさがあるのかと思いきやこれまた丸みのある味で(それでもトゲは少しある)、新樽以外は単品で売っても商品になる出来でした。
次の講義の内容は余市蒸留所の紹介から始まり、石炭による蒸留工程を司るスティルマン、樽を買い付けたり熟成に適した状態に蘇らせるクーパー(製樽職人)、ダンネージ積みで熟成を見守る貯蔵庫管理人、取水を行っている新川川の水質管理を行う給水リーダーなど、各分野でのプロフェッショナルの仕事ぶりの紹介がなされました。
新しくなったスーパーニッカはブレンダー山下氏の説明によると、以前よりピート香りをおとなしくし味も甘めとし、女性にも受ける味覚設計に練り直したとのこと。昔の味を知らないので何とも言えないのですが、47 年間も同じ味で売れ続けてきたのですから、リニューアルも慎重にならざるを得ないでしょう。これからはハイボールなどでウィスキーを飲む年齢層も広がっていくでしょうから(それでもスーパーニッカをハイボールで飲むのは勿体ないと思う...)、それはおそらく正しい革新なのだと思います。
しかしその後の質疑応答タイムで一人の受講者から「新しくなったスーパーニッカが不味いので元に戻してほしい」との身も蓋もない爆弾発言的質問が。その人は飲食店の経営者とのことですが、発売当時からスーパーニッカを店に置いているとのことで、新しいスーパーニッカの味に納得がいかないとのこと。この質問には山下氏をはじめとする営業担当の方(名前を失念)もたじたじに。「もちろん現在の味が最終形態という風には考えていないので、模索は常に続けていく」と答えるのが精一杯でした。それにしてもストレートすぎる質問で、これまた場内が沸きましたね。
こんなに注目を集めているスーパーニッカですが、700ml 入り1本二千円以下で買うことの出来る大衆酒としては、この味は良くできていると思います。ソーダで割るのが正直もったいないくらい美味しい出来で、ストレートで飲んでも十分に美味しいです。将来家族持ちになったりリストラ食らってその日暮らしの生活になったりで、ビールも満足に買うことが出来ずに代わりに発泡酒しか飲めなくなってしまうような時がやってきたときには、毎回このスーパーニッカとソーダを買ってくることでその代わりとすることでしょう。自宅で一杯のハイボールを作ると 100 円強しかかからず、これは発泡酒に比べて安く、アルコール度数も高く、美味しく、飲み方も好きに選べます(ハイボール以外にもストレート、ロックなどで)。将来的に酒税法がアルコール度数に比例した課税がなされるようにならなければいいのですが。
来年も企画的に面白そうなマスタークラスは(庶民派の酒を中心に)攻めていきたいなぁと思います。そして酔っぱらうのを恐れて試飲を抑えめにしましたが、やっぱり BLACK BOWMORE は飲んでみたかった...。
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